世界観変遷(4) 南部、小林、益川各氏の「対称性の破れ」
2008 年 10 月 14 日
今年の一番明るい話題は、日本人が4人もノーベル賞を受賞したことでしょう。
ノーベル物理学賞を受賞する、南部、小林、益川各氏の研究は「対称性の破れ」というものです。この現象は、決して最近発見されたものでもなく、今や常識になっている発見ですが、とかく絶対主義的な考えに傾きがちな権威が、あまり認めたくない(どちらかと言うと美しくない)「対称性の破れ」について、自然界を支配する法則として認めたことは、大きなパラダイムシフトであると思います。
そうです。天動説から地動説へ、絶対系から相対系へ、絶対の存在から確率的存在へと進む、物理学のパラダイムの変遷です。
南部先生をはじめ、小林、益川両先生もとても優秀な先生方だと思いますが、「対称性の破れ」を認めうる「日本人」としての特質もあったのではないか、と思っています。先生方の考えを受け入れなければならない、とは思いつつ、その考えを素直に受け入れたくない絶対的な考えを柱にしている文明が数多くあるのです。
私は常々、日本人の柔軟な思考、先入観のない推察について感心しています。理論物理などをやる場合には、当然、先入観などは排除した方がいいわけですが、一神教文化的には、「対称性が破れている」などとは、宇宙の法則として仮定したくないことなのです(一神教文化はすべてそうだ、と言うものでありませんが、「唯一絶対」を柱とする考えの中に、本質的に不確定だとか、ほころびがあるなどのアイデアは入れにくい、という意味です)。本質を見抜く洞察力を鈍らせるもの、それは先入観でしょう。しかし、ゆるぎない安心を与えるような基盤を否定するようなものすら、仮定できるということは、本当に自由な発想を行っていると考えることができます。
欧米のアカデミックな世界は、もうすでに、パラダイム変更を受け入れている、と感じられる、ノーベル物理学賞受賞を大変うれしく思います。このことをお知らせしたくて、ニュートンの話と世界観変遷4つの記事となりました。ご了承ください。
↓リンクをクリックしてください。1票が投じられます。↓
人気ブログランキングへ
2 Responses to “世界観変遷(4) 南部、小林、益川各氏の「対称性の破れ」”
Leave a Reply
You must be logged in to post a comment.
10 月 14th, 2008 at 8:36 PM
こんばんは。
ノーベル物理学賞の受賞は、名古屋を沸かせています。
息子(小6)も物理や化学が大好きなので、ソバシマさまのこのブログはとっても面白いと思います。量子力学にも興味を持っています。
また、面白い記事をお願いしますね。
10 月 15th, 2008 at 9:23 AM
ニュートンやアインシュタインと違って、量子力学はとてもわかりにくいですが、朝永さんの「光子の裁判」のような本は、朝永さんの夢の出来事のようなお話が書かれてあって面白いですよ。