協力隊は日本の国旗だけ掲揚しません
2008 年 10 月 24 日
星条旗のお話をしました。
アメリカの平和部隊(ピースコー)と同等の活動をしている青年海外協力隊(国際協力機構の組織)は、ある意味、日本という国家が行うボランティア活動ですから、国旗を背負って海外へ出かけているようなものです。
しかし、日本の国旗は掲揚しない伝統があります。(ひょっとして変わったかも知れませんが、私の理解ではそうです) もちろん、大使館などでは日の丸を掲揚しています。
青年海外協力隊がはじめて派遣された、今から30年以上前、対日感情が悪かったアジア諸国の状況を考慮して、日の丸は掲げないようになったと聞きました。(不心得者の日本人青年が日の丸を大きくたなびかせていて、放石を受けたらしいという話もありました)
派遣前の訓練では、毎朝、派遣先の国々の国旗を掲揚し、国歌を流す中、私たちは敬意を表すことを続けました。自分の任地マラウイだけでなく、近くの国、ケニアやタンザニアなどの国旗や国歌も気になります。しかし、日の丸は掲揚しないです。
私は、このようなことは本来的でないので日本の国旗も掲揚すべきだと申し上げたいのではありません。「しばらく謹慎して掲揚しない」やり方もあるでしょう。また、イギリスの憲法は明文化されているものはありませんが、憲法がない、というわけではないように、抽象化してしまう方法もあるかも知れません。
しかしここで述べたいのは、戦後何十年たっても、このような影響を残しているということです。禍根を残しているのです。日本と日本人、そしてそれを象徴する国旗等も、「信」を失う多大な負の遺産を残したということです。
私は、このような禍根を次の世代、そしてその次の世代に残したくはありません。智を持って礼をつくし信を回復すべきです。「周辺諸国にはもう十分謝ってきた」と言う方もいらっしゃいます。「これ以上何をすべきなのだ」ともおっしゃいます。しかし、真に総括できていないから、禍根は消えず、こうして生き続けるのです。国旗も掲げられない青年海外協力隊を送り続けざるを得ないのです。
たとえば、学校で国旗を揚げるのに賛成・反対などの話があります。国旗を揚げることは全体主義につながる、という主張もあります。どうしてそのような話が出てくるのか、それは、戦争の総括がきちんとできていないため、信頼が回復されていないからだと思います。
国旗を揚げないようにすれば、平和の国を維持できるのでしょうか? いいえ、このように、心につかえているものをとることが一番大切ではないでしょうか。総括できていないこと、姿勢を明確に提示できていないことが最も重大な問題です。
「無理やり国旗を揚げるのは反対!」とおっしゃる方がいらっしゃいます。その面もあると思います。
子供には日の丸の掲揚時には起立させないように教えていらっしゃる方がいらっしゃいます。その場合、子どもに「日の丸は悪いものだ」という印象を与えていないでしょうか? 「もちろん、日の丸は悪いものだ!」とおっしゃるかも知れません。でも、決して日本の国旗が悪いことをしたわけではありません。先の戦争を総括して、しっかりと意思表明をしていないから、このように信を失うことになってしまっているのです。
私は憲法改正に賛成です。今の憲法以上にしっかりと前の戦争の総括を行い、現在の日本国憲法の良いところ不足するところを明確に示し、目的を示し、国権の責務を明示(現在の憲法には、800兆円の赤字財政にしても政府の責任を問える根拠が書かれていません)すればいいと考えています。これも総括のひとつの方法です。
先の自民党案は、国民の義務をぞくぞくと増やしてはいますが、国権の責務を規定していません。また、一番大切な総括、憲法の目的、国権の責務がほとんど書かれていません。最近、三島由紀夫が草案を作った憲法が見つかったのですが、彼の憲法には憲法自体の目的(国家の永続的な繁栄)が書かれていますし、天皇を戦前のような軍を統括する立場から外して横に置いているように、戦前の憲法よりずっと改善があると私には感じます。
もし、憲法を改正するのであれば、まず歴史的な総括、憲法の目的、そして国権の責務(国民の生命財産を守る、平和と発展のために努力する、財政的な安定の確保を行う、平等に行政サービスを提供するなど)を明示することなど、憲法の基本デッサンが必要ではないでしょうか? それらで大枠を示したうえで、国民の義務、そして国権の機能(国会・行政・司法)などの規定を置くべきだと考えます。環境権などは、国民の生命財産を守ることに通じるわけですので、国民の権利としてではなく、国権の責務として規定すべきでしょう。
国旗掲揚の問題も、憲法改正の問題も、しっかりと目的と意義を考え、問題点を把握すれば、いかようにも考えられる、前進させられる課題だと考えています。
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10 月 24th, 2008 at 12:04 PM
ここまで書いていただくとソバシマさまのおっしゃりたいことがわかりやすいです。
国内の学校でも国旗掲揚をし国歌を斉唱する学校とそうではない学校とがあります。
そうではない学校は反日感情が強いところだと思っています。
はっきりさせないことを「よし」とすることが多い日本ですので、曖昧なままにしていることが多くありますね。