オバマ勝利演説分析:youとI
2008 年 11 月 7 日
オバマ氏の演説の特徴は、「you (your)」と「we (our)」だと思います。
これまで、Yes, we can. (私たちはできる)とか、Our movement is real.(この改革は成功する)など、皆の意識が集中するところで、必ず「we」「our」をもってきて、「私たち」が希望や成果を得ることを伝える、あるいは問題を共有します。
また、今回の演説では、とくに、「you」と「I」に注目してみます。
最初に「you」が出てきたのは、以下の箇所です。
tonight is your answer.(今日があなたの答えです)
実はこの前に、アメリカの民主主義について述べていますので、アメリカの民主主義と「あなた」とをつないでいます。
さて、「I」はどのように出てくるでしょうか。
A little bit earlier this evening, I received an extraordinarily gracious call from Senator McCain….
つい今しがた、マケイン上院議員からとても丁重な電話を頂きました。マケイン議員はこの選挙戦で、長い期間懸命に戦ってきました。そして彼は、愛する国のため(私たち陣営よりも)ずっと長い間、懸命に戦ってこられました。彼は米国のために、私たちの大半が想像すらできないほどの犠牲を耐え忍んできました。この勇敢で私心のないリーダーの献身のおかげで、私たちはより良い暮らしを享受しているのです。
そう、謝辞です。この長いパラグラフで「I」はたった1箇所のみ。続いて3箇所です。
I congratulate him, I congratulate Governor Palin for all that they’ve achieved. And I look forward to working with them to renew this nation’s promise in the months ahead.
私は、マケイン氏、そしてペイリン知事が成し遂げられてきたことについて、お祝い申し上げたいと思います。私は、これから何カ月か先、この国を刷新するため彼らといっしょに働くことを楽しみにしています。
このように、「I」を謝辞のためにたっぷり使います。ものすごい謙遜です。しかしこの謙遜が、アメリカ人の心を動かしているのです。
謝辞の後、「you」の登場です。
But above all, I will never forget who this victory truly belongs to. It belongs to you. It belongs to you.
しかし、何にもまして、この勝利が本当は誰のものか、私は決して忘れません。あなたがたのものなのです。そう、あなたがたのものなのです。
そして、後で再度伝えます。
This is your victory.
これは、皆さんの勝利なのです。
単なる謙遜の域を超えています。演説がうまいから勝った、失敗に嫌気がさして国民は変革を求めた、と説明する以上のものがあることがお分かりいただけたでしょうか。なぜ、何時間も投票のために列をつくり、オバマ勝利の新聞を買い集めるのか? 歴史が動いている実感をともに感じているのです。 もちろん、共感(empathy)こそが解決の鍵だとオバマ氏が一番わかっています。そして、演説でも共感づくりを実行しているのです。
しっかりと彼の演説を分析して、また、いくつかレポートしたいと思います。
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11 月 7th, 2008 at 12:55 PM
Yes,we can.
これは、歌にもなり、U-tubeでも何度となく、
流されたそうですね。
有権者の心に浸透していくことにも
また、資金集めにも
戦略的に優れていたと思いますが、
彼は、大統領になるべくしてなったのですよね。
あんなにたくさんの人が彼に期待するほど、
彼の演説の内容は、それまでの大統領候補とは違っていたのでしょう。いろいろな立場の違いはあっても
「アメリカは一つ」といった呼びかけには、
すべてのアメリカ国民の心を打つものがあるのだと思います。
彼の当選は、それまでの彼の人生の結果だと思います。
11 月 7th, 2008 at 1:31 PM
もちろん、党というものをあまり持ちあげていないので、党オンリーの人はあまりよく思わない向きもあるかも知れませんが、共和党のライス長官が当選直後のインタービューで「I am proud of him」と言っていたように、党派を完全に壊した面もあると思います。
11 月 9th, 2008 at 6:26 PM
追>
[u-tube]は、[YouTube]のつもりです。
やっぱり横文字に弱いのです。