なかなか書き出せなかったコンベンションの仕事の話題です。単に内容的に重いから、というのが理由です。

会議(政府系会議、学術会議)やセミナー・展示会など、業界ではコンベンションと呼んでいますが、そのようなコンベンションを企画・準備・運営する仕事があります。

プロデューサー、ディレクター、プランナー、あるいはコーディネーターと呼ばれる職種です。

仕事の内容、段取り、手配、そして管理の中身(仕事内容の管理、予算の管理、リスクの管理)から考えると、マスコミ、あるいは広告代理店の仕事にも似ています。

まず、参加してもらう人たちに会・イベントの意義や価値を伝え、参加してもらいます。単に広報・広告だけでなく、もちろん、人づての営業や、委員など立場を作ることで、動員などの役割を分担します。当日の運営は、ある意味、業務です。

私は、プロデューサー、事務局あるいは学術分野のディレクター、プランナーなどの仕事を数年間行いました。たくさんの企画書も書きました。

研究以外で、ビジネスらしいビジネスをやっていたのは、実はこの分野です。

その影響か、段取りを4つのステップで考えるくせがあります。つまり、以下の4つのフェーズです。

1)企画・・・プランニング(コンセプトとイベントの中身)
2)広報・・・Web、チラシ、関連団体など経由でのデンタツ
3)営業・・・参加者の動員と展示などコマーシャルアイテムの販売
4)業務・・・準備からの事務局業務と当日運営の業務

また、イベントの種類は、会議が中心ですが、以下の3通りの場合が多かったです。

A)政府系の会議・・・主催は日本の省庁が大多数(国連の会議でも省庁が担当)
B)学術系の会議・・・主催は学会または担当大学か病院などの施設
C)企業系の会議・・・主催は私企業(IT系、医薬系が多い)

Aでは、紛争や和平などの関わる事案もあります。大臣や政府高官が出席することもあり、またテロの標的になりやすい場合もあるので、警察や機動隊と連携することもあります。

Bの学術会議でも、皇室のご臨席をいただくこともあるので、運営のマニュアルの作成・検討は丁寧に行わなければなりません。

一番規模が大きいものでは、世界から数千人規模の参加者を受け入れ、皇太子殿下妃殿下のご臨席をいただき、記念切手を発行し、自民党本部で衆参議員20名くらい向けに進捗報告と対策の会議を開く、ということもありました。

この会議クラスになると予算も大きいので、会議の会計資料だけでダンボール何箱にもなり、終了後、公認会計士の検査を通すのも大変なものでした。

大きな学術会議になると、IOCのオリンピックやFIFAのワールドカップと同じく、国際組織委員会の力が強く、開催する日本の委員会と国際組織ならびにそのトップの会長らとの連携が、事務方である私たち運営事務局の大切な仕事です。円滑に準備を進めるため、ヨーロッパやアメリカでの打ち合わせ、準備作業などが何度も発生しました。

この学術会議は2002年だったので数名のトップ会議は電話会議(ヨーロッパ2か所と東京あるいは地方が加わることも)で行いましたが、後の世界銀行の会議の準備などは、テレビ電話を使って、(ヨーロッパ、ワシントン、東京などで)会議の準備のための会議を頻繁に開きました。

進捗報告、問題点の共有など、会議の目的と内容は日本人同士であれ、国際メンバーであれ違いはありません。

先ほど述べました数千人の会議を開催するためには、20ほどの委員会(財務、スポンサー、宿泊、学術プログラム、等々)が組織されました。それぞれが予算を持ち、準備をすすめるのですが、なんと、会議当日は、同時に35ものセッションが開かれるほどの大イベントです。

たしかに大きなイベントは大変ですが、ちいさなイベントでも、進め方や注意点などは、本質的には違いはありません。

会の進行をしっかりと管理する統括ディレクターの力量に成功のカギがあります。

ステージだけでなく、映像や音声、同時通訳、受付・・・と数限りない機能を分担するチームがいて、皆が協調的に仕事を進めます。

このような仕事をしてきた経験があるため、たとえば、テレビの放映中に大きな事件があったりして、番組の進行がうまくいかなくなったり、時間変更が起こったりする場面を見ると、私はディレクターや番組制作スタッフの側の気持ちになってしまい、どうしても見ていてドキドキ、ハラハラしてしまいます。

私たちはとかく、映像に出ている役者(俳優や女優)や司会者に目が行きますが、映像を撮っているカメラマン、音をとっている音響さん、カメラを切り替える人、その人に指示する映像ディレクター、美術面の効果に責任を持った人といった専門スタッフ、そしてパートパートのディレクターや全体を統括するディレクターたちがたくさんいて、有機的に動いていること、作品が作られていることを忘れがちです。

異なる仕事の人たちがバラバラにいながら協調することは、とても難しい仕事です。ですから、横に連絡をしながらやっていきます。あまり、横の連絡が多すぎたり、プロの専門の仕事に素人の横やりが入るのは問題ですが、プロ根性を刺激するメッセージは時にとても役立つこともあります。

主なスタッフはトランシーバを耳につけ、いろんな指示や状況報告が飛び交うのを聞いています。

コンベンションが始まる直前に緊張がピークに達します。

ある国連の会議の例です(厚労省と農水省が担当のWHOとFAOの合同部会でした)。

「ボンジュール、マダーム、ボンジュール、ムッシュー。ジュマペール・・・」

なんと、日本人の議長がフランス語で開会のメッセージを言い始めました。

「えー??? フランス語だ! どうしよう!」

でも、予定外の出来事に同時通訳がたじろいだのは1秒足らず。

すぐに、会はうまく進行していきました。

・・・

思い出すのも、心臓に悪い気がします。

このような場面の話を読んでいただいて、申し訳ないです。

でも、人は、実にいろいろな仕事を行いますね。

協調したり、リーダーシップを発揮したり。

うまく進めるために、コンセプトや企画書を作ったり、スケジュールや予算を立てたり、分担をしたり、仕事リストをチェックしたり・・・。

でも、一番大切なのは、全スタッフ(ポジションの人たち)が元気で、持てる力をすべて出せることだと思います。疲れてくると実力は全部出せません。

そして、しっかりと目標を見定めること。

責任をもつポジションを的確に定め、それぞれを尊重しながら、問題を発見した人が他へ横の連絡や要求をしたりします。

そこでは、情報だけでなく、評価(「すごい」「すばらしい」など)や感謝、気持ちを伝達したりしながら、仕事を分担して進めていきます。

そして、成果は皆で分け合います。

ちょうどハンターがハンティングをするように、農耕民がみなで収穫を楽しむように。

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One Response to “会議やイベントの企画・運営という仕事”

  1. SALTY-SALTY Says:

    小学校1年生に1000とか10000とかいう数や量はぴんとこないと思います。たぶん、20とか100とかなら数的にも量的にも把握できると思います。(小1なら、そういう子どものほうが多いだろう。。。という意味です。)
    それと同じで、国際会議の難しさというのは、我々かかわりのない人間にとっては最初ピンとこないのですが、
    それが、TVのことだったり、国内の小さなイベントだったりだとすると少し理解できます。学校でも全体が動くような大きな行事は、神経を使うと思います。
    今の私でも、億という数量は、実はぴんときません。
    せいぜい、数千万までだと思います。

    国際会議の難しさとそのセッティングなどの大変さや
    最後にみんなで喜びを分かち合う。。。といったところが、大変勉強になりますね!

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