「まじっすか」

2009 年 2 月 26 日

今朝、会社へ向かって足早に歩いていて聞こえた人声。

「まじっすか」

ビジネススーツを着た若者が、もう一人の若者(おそらく会社の先輩)に話した言葉です。

年齢の高い人たちには、話し言葉として納得できない向きも多いでしょう。

しかし、若者同士の会話としては決してブロークンでないことをお伝えしたいと思ってこの記事を書いています。

常識的には、目上の人にこのような言葉づかいはよくないということは、若者もわかっているはずです。

しかし、日本語のむずかしいところは、あまりかたくるしく話したくない間柄がある、ということです。

「そうなんですか」

というと、ちょっと堅苦しくなるから、「まじっすか」になったのだと考えられます。

とくに、東京の言葉の場合、硬い敬語かブロークンな俗語か、二択になってしまうことが多くて悩ましいシーンがあります。

(これが、日本語の一番難しいところです。英語では「I」と「you」だけ!動詞や助動詞を使い分ける必要がないのですごく楽です)

その点、近畿の言葉の場合、やわかい尊敬(・・・してはる、とか)があると、表現にバリエーションが出るのでとても便利です。博多弁の「・・・しとらす」もこれにすごく似ていますが、東京弁・標準語にはそのような表現がないのです。

さて、じつはこの記事で書きたかったのは、もう一つあります。

それは、日本語の「す」についてです。

日本語は重要な言葉を最後にもってくる言語です。

・・・が・・・を・・・しなかった

のように、一番最後に過去を表わす「た」、否定を表わす「ない」そして、「する」があります(末尾から文頭へ)。

対話では、「です」「ます」をつけますが、「です」は「であります」が略されていると考えられます。

この最後の「す」はもともと現代語の「する」と同じ「す」です。

ここで、ちょっと分析的に言葉をみてみましょう。この私のブログの記事、最初からここまで、ほとんど終わりは「す」です。

まだ、日本語がよくわからない人にとっては、対話している日本人は

・・・す
・・・す
・・・す
・・・か
・・・う
・・・す
・・・す

という具合に、「す」の連発、オンパレードです。

たとえば、私はほとんど韓国語を知りませんが、

・・・か
・・・よ
・・・だ

などのように、(文法だけでなく)日本語と非常に似た末尾の助詞が並んでいることに気がづきます。

私たち日本人は韓国語を聞いただけではほとんど意味がわかりませんが、言語学者によると、同一言語の方言程度の違いだ、という方もいらっしゃるくらいです。

さて、日本語の文末の「す」。何も分からない外国人が聞いたなら、「す」が文末(ピリオド)を表わすのではないか、という仮説を立てる人も出てくるかもしれません。

「です」はたいてい英語の「be」に相当し、「ます」は「do」に相当することが多いので、それをさらに分解した末尾の「す」は、英語の「be」も「do」も包含した事象を表わす概念、または伝達を表わすものではないかと考えられます。

たとえば「まじっすか」。

これは、「まじ」「です」「か」を短く言ったものです。

「です」の「で」が「っ」になっても、「す」は消えません。

日本語がどんどんブロークンになっている、という方もいらっしゃいますが、私流に言いますと、少なくとも二千年くらいは、骨格は壊されていないのではないかと思います。きっと、もっと古いのだと思います。

すごく強力な語だと思いませんか?

さて、この「ませんか?」の中に「す」があります。どこでしょうか?

はい。

「ます」「えん(ぬ)」「か」

をつないで話しているだけですから、「せ」の中にいました!

見つけましたね!

こんなことを考えていると日本語もとても楽しいですよ。

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3 Responses to “「まじっすか」”

  1. SALTY-SALTY Says:

    数十年前、まだ若い頃、何かといえば
    「うっそ~!!」
    という若い女性が多くて年配の方の顰蹙を買っていました。この言葉が、きっと今の若い男性の
    「まじっすか?」
    に匹敵する言葉だと思います。
    「それは本当ですか?」
    というのは堅苦しくて、つい口をついて出るのが
    この言葉なのだと思いますが、
    当時も今も違和感があります。
    誰も彼もが同じような言い方をするようで、
    他の言い方はないのだろうか?と思ってしまいます。
    もう少し話し方にこだわって、髪型やファッションのように個性を発揮してほしいものだと思います。

  2. admin Says:

    1つ書き忘れたことですが、おそらく「まじっすか」は尊敬語表現だろうということです。
    同等レベルかそれ以下の場合、決してこのような言い方はしないでしょう。
    「まじ?」「まじか?」
    はあっても「まじっすか」はないでしょう。つまり、目上の人に対する言い方のようです。とすると「す」があることで、丁寧または尊敬表現となっているようでもあります。
    「です」も「ます」も「す」がありますので・・・。

  3. SALTY-SALTY Says:

    ソバシマさまは鋭いですね。
    なるほど。そういわれてみればそうですね。
    若い方たちなりに使い方を工夫しておられるのですね。
    そういう風に考えてみると
    私のコメントは考えが少し足りないということですね。
    ありがとうございました。
    乱暴に聞こえる言葉についても
    そうとばかり限らないということで
    勉強になりました。

    これで、一つ賢くなり、昨日とはほんの少しだけれど
    違う自分です。
    よかったです。

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