広告という実験

2009 年 4 月 2 日

広告とはメッセージを市場に届けることで変化や反応を得るものです。

テレビや新聞、Web、あるいはメールといったものは、広告の媒体として発信者と市場との中間に位置します。

単純化すると、ある一つの広告でどれだけアクセスがあったとか、会員申込や資料請求があったか、あるいはどれだけ売り上げたか、という計測できる数値と、元手の費用、届けられた市場の大きさとの比較で「広告」の評価を行います。

ここでむずかしいのが、市場の反応を計測するのと、媒体の力を計測するのと、広告物(メッセージ)の内容を計測するのと同時に行われることです。

つまり、いっしょくたになってしまうので、注意が必要です。

同じメディアであっても、届けられる時間帯によって反応が違うこともありますし、同じ商品についての広告でも、広告内容で反応が全くと言ってよいほど変わってきます。

市場の層も、性別や年齢だけでなく、趣味・嗜好により大きく性質が変わってきますので、多少のグループ分けをしながら(これをセグメント化といいます)、あるグループに対していい反応が出ることを想定して、広告を流し、その結果を評価します。

さて、20世紀の初頭に行ったラザフォードの実験というものがあります。

これは、薄い金箔に放射線の一種であるアルファ線を照射して、その結果を分析する、というものでした。

アルファ線とは陽子が2個、中性子が2個のプラスに電荷を帯びた粒子であるので、同じくプラスの電気を持つ原子核とは反発します。

さて、この実験の結果はどうだったのでしょうか。

ほとんどのアルファ線はそのまま通過しました。

しかし、一部は散乱し、まれに、正反対に打ち返えされるものも出てきました。

この散乱結果から、実は原子核のサイズを計測することができたのです。

ミクロの世界は見ることができないほど小さいのですが、反応されうる物(粒子や光線)を投げつけ、その反応を調べることで、見えないものがどうなっているか確かめることができたのです。

ミクロだけでなく、マクロも同じように実験で調べることができます。

広告はまさに、マクロに対して投げる光線のようなものです。

ほとんど無反応かも知れませんが、ごく一部帰ってきた反応の中に、市場の強いニーズや期待などが混ざっていることがあるのです。

私たちは20世紀の科学者と同様、しっかりとこのリアクション(反応や変化)をキャッチし、見えないものに代わって教えてくれるものを得なければならないでしょう。

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